「塗料用シンナーが無くなってるっていうニュースを聞いたから、三瓶さん大丈夫かなって心配してたんだよー」と、以前に塗替え工事を行ったKさんに声を掛けてもらいました。全然大丈夫です、とは正直言いづらい状況ですが、材料屋さんが頑張ってくれているおかげで、今のところ作業に支障はありません。

そんなわけで今日は、株式会社みかめ塗装店を心配してくれている皆様と毎日を不安な気持ちで過ごしている全国のペンキ屋さん、そして自分に言い聞かせるために、塗料用シンナーについてブログを書こうと思います。

塗料用シンナーの在庫不足の現状

3月23日に材料屋さんから、シンナー製品全般の値上げのお知らせが来ました。ここ数年は定期的な値上がりがあったのですが、告知から一か月後に10%程度上がるという緩やかな値上がりでした。

ところが今回は、告知から一週間後に30~80%上がるという内容です。慌てて材料屋さんに問い合わせたのですが、その段階ですでに注文が殺到していて、すぐには入手できないということでした。メーカーの説明だと、調整はしつつも生産はしているのですが、注文が多すぎて生産が追い付かない、ということでした。

塗料用シンナー(以下、シンナーと記載)の金額の推移を示したグラフです。事務所にある請求書を使って作成しました。

 

2016年から2022年までは据え置き、2023年に約8%、2025年に約15%の値上がりをしているのですが、その時は今回のような在庫不足は起こりませんでした。

今回の値上げは約63%なので、全国のペンキ屋さんが値上がりする前の三月に、普段より多めに注文したと思います。それが、在庫不足の原因の一つだと思います。

 

また、ニュースによると、シンナーを50本以上も買い占めたり、ネットオークションにおいて高値で転売したりする業者もいるそうです。

お知らせが届いてからちょうど一か月が経ちましたが、シンナーが入手しづらい状態は今も続いています。他にも影響は出ていて、特に防水関連の塗料、コーキング、ビニール製品などはかなり生産が遅れている様子です。入荷がいつになるかわからない、と材料屋さんがくたびれた声で話していました。

①塗料用シンナー一本で、塗料約1000㎡分を塗れる

シンナーは、塗料を希釈する材料なのですが、塗料の希釈率は一般的に10%前後になっています。

一斗缶だと16キロ入っているので、シンナーを希釈のみに使用する場合、160キロの塗料を塗れる計算になります。

塗料16キロで約100㎡塗装できるので、塗料160キロだと、約1000㎡塗装できます。

塗料用シンナー

②一軒の住宅を塗るのに、約600㎡分の塗料を使用

外壁の塗装は三回塗りが標準なのですが、下塗りは水性の塗料を使用することが多いので、シンナーは使いません。

屋根の塗装は三回ともシンナーを使用します。

一般の住宅だと、外壁の面積が150㎡くらい、屋根が100㎡くらいです。それぞれ、塗る面積を計算していくと

 

外壁

0㎡(下塗り)+150㎡(中塗り)+150㎡(上塗り)=300㎡

 

屋根

100㎡(下塗り)+100㎡(中塗り)+100㎡(上塗り)=300㎡

 

一般の住宅だと、外壁と屋根の塗装で約600㎡分の塗料を使用する計算になります。

③ペンキ屋さん一人に対して、一か月に一本の塗料用シンナーで足りる!

ベテランのペンキ屋さんだと、二か月に三件くらいのペースで現場を進めていきます。一か月あたり1.5件なので、ペンキ屋さん一人につき

 

600㎡×1.5件=900㎡

 

の面積を塗装する計算になります。シンナー一本で約1000㎡分の塗料が塗れるので、シンナーが一本あれば足りる計算になります。

塗料用シンナー不足は解消する

以上が、一般住宅の塗り替え工事におけるシンナーの使用量の計算になります。マンションなどの塗り替えでは水性の塗料を使用することが多いので、シンナーは掃除くらいにしか使いません。

ペンキ屋さんが買い占めているケースは、塗料に対してシンナーの減り方は遅いので、しばらくは注文しないんじゃないかと思われます。

 

ただし、転売目的の買い占めのケースは、話が違います。転売されたシンナーを買うことによって、転売業者に利益が出て、転売を続けさせてしまうことになります。

転売業者からシンナーを買わないようにすれば、転売業者はシンナーを買わなくなるはずです。彼らにはシンナーの使い道がないんです。グッとこらえて、転売業者を僕たちの取引に関わらせないようにしましょう。

 

話が長くなりました。メーカーで生産は続けているということなので、転売業者が関わらなければ、次第にシンナー不足は解消してくるのではないか、と僕は予想しています。

僕たちの未来は明るいんです!

このブログを書いている4月25日の時点で、下塗り材・養生用のビニール製品・コーキング材などが欠品・納期未定になっています。中東の情勢が落ち着かない限り、この状況は悪化していくと思います。

でも大丈夫です。僕たちは、コロナウイルスの時期も乗り切りました。生成AIに仕事を取られることも、しばらくは無さそうです。アメリカでは、ブルーワークビリオネアと呼ばれる人たちが出てきています。現場の仕事は、これから良くなっていくと確信しています。

今は大変な状況ですが、いつかは必ず落ち着きます。僕たちにできることは、平和を祈ることと、転売業者から塗材を買わないことです。同業者はライバルですが、敵ではありません。僕たちは仲間なんです。ペンキ屋さんみんなで協力して、情報を共有して、困難を乗り切りましょう。三瓶でした!